RECRUITMENT INFO.
SPECIAL04 明日を預かる者たち
使命感
PEOPLE01

来たるべき、
その日のために。

過去
技術系 | 東京電力ホールディングス

小島 潤也

柏崎刈羽原子力発電所 第一運転管理部
2018年入社/工学部電気電子工学科

プラモデルづくりに
     時を忘れて。

小学校から帰るとプラモデルづくりに没頭した。設計図に従ってパーツを組み立てるうちに、楽しさで時間が経つのを忘れ、気がつけばいつも夕方だった。何体もつくるたびに少しずつ細部にこだわるようになり、完成したときには達成感に満ちていたのを覚えている。手を動かしてプラモデルが徐々に完成していく工程を繰り返し、物の構造やメカニズムにも興味が湧くようになっていった。大学時代には、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する回路や、そのアルゴリズムについて研究を重ねた。今でも思い出すのは中国で開催された国際学会での発表だ。英語での発表は初めてだったが、発表資料は細かな部分まで繰り返しチェックし、スムーズにプレゼンテーションできるよう何度も練習を重ねて、無事に終えることができた。そこで培われた考える力や準備への意識、そして最後までやり遂げる力は、現在の仕事にも活かされているように感じている。東京電力を就職先に選んだのは、多くの人の生活や社会全体を支える「電力」に関わる仕事がしたいと考えたからだった。もともと人を助けたり支えたりすることに興味があった。自分が得意なメカやシステムに関する知識を活かして、施設や設備を維持管理することが、社会を支えていくことにつながるのではないか。数ある電力会社の中でも東京電力は最も規模が大きく、より幅広いスケールで支える業務に携わることができそうだった。
現在

刻みつけなければ
     ならないこと。

現在停止中の柏崎刈羽原子力発電所の保守管理を行い、将来の運転に備えて訓練をするのが私のミッションだ。先輩とペアで、またときには一人で発電所内を巡回する。不具合の早期発見のために大小さまざまな設備を点検しながら、それらの役割や機能などを頭に叩き込んでいく。先輩たちの口癖は「少しでも分からないことは何でも聞け」。私も同じことを後輩たちにいう。その日挑戦したのは、電源喪失時に使われる非常用発電装置の点検と試運転だ。万が一、この装置が必要とされる事態となったとき、動かなかったり操作ができなかったりすることは許されない。先輩が見守る中で、図面を見ながら手順を踏んで点検を進めていく。以前は途中でつまづいていた部分も難なくクリアできた。唸りを上げて起動した装置の動作を確認して停止するまでを見届ける。やり切った気持ちでいっぱいになり、また一つ自分の血肉になったのを実感した。発電所内では事故対応の訓練も定期的に行われる。事故発生を知らせるアラートが鳴り渡り、実際の制御盤を模したシミュレータの前で訓練がスタートする。その日の訓練内容によってさまざまな事象が発生し、適切な対応ができるように操作を行っていく中で、焦って間違った手順をとったときには、上司の指示を受けて正しい手順で操作を繰り返す。そして、頭にも体にも経験と知識、そして安全への意識を刻みつけていく。このアラートを現実の中で決して鳴らさないようにするために。
未来

過去ではなく、
  起こしてはならない未来。

あの日、福島でどんな事態が発生していたのか。現地での過酷な状況や経験を忘れないように、毎年3月11日には東京電力全社で研修が行われる。私がいる班でも、事故を体験した上司や先輩から、そのときの状況について経験談が話される。当時まだ入社していなかったけれど、原子力発電の全体像を把握し始めた立場で聞くその事象は、まさにあってはならないもの。二度と繰り返すことは許されないと、毎年のように肝に銘じる。それは決して過去ではなく、起こしてはならない未来の話だ。柏崎刈羽原子力発電所は停止中だけれど、日本国内では一部の原子力発電所が営業運転を再開している。その一つを訪れてプラント運転中の様子を見学する機会があり、実際に稼働している発電機を目のあたりにした。建屋の中は暑くすぐに体中に汗が滲んできた。タービンの回転する振動が体を震わせ、轟音のせいで大声を出さなければ会話もできなかった。稼働する巨大なプラントの前に立ってその迫力に圧倒されながら、自分たちの手で発電所を起動して運転する、そんなあるべき未来を想像した。長い眠りについている柏崎刈羽原子力発電所が再び稼働を始める日。それは、今自分たちが毎日のように繰り返している点検や安全確認、訓練の先にしか実現しない。その日のために、そして日本に電力を安定供給するという使命を果たすために、私自身これからもしっかりと着実に成長し続けていきたいと思っている。
明日を預かる者たち SPECIAL04
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