PROJECT
STORY
06

虎ノ門の価値を、
エネルギーで上げる。

理系 東京電力エナジーパートナー

Project Outline

虎ノ門エネルギーネットワークプロジェクト

森ビル株式会社と、東京電力エナジーパートナーが共同で新会社を設立。その目的は、強固なエネルギーネットワークを築き、虎ノ門エリアの価値を向上させること。エネルギープラントの構築から新会社の経営まで、すべてに伴走した代田の「集大成」。

Project Member

東京電力エナジーパートナー
販売本部 法人営業部 エリア開発推進部
エリア開発営業グループ
代田大祐(2010年入社)

※部署名等は取材当時のものです

Chapter 01

虎ノ門に、「選ばれる理由」をつくる。

オフィスビルや商業ビルにとって大切なこと。それは「誰に入居してもらうか」。空きをつくらないことは前提として、知名度の高い企業やブランドを誘致できるかどうかが成否に大きく影響する。だからこそデベロッパーは、さまざまな角度から「選ばれる理由」を生み出そうと力を尽くす。

国内有数のデベロッパーである森ビルが、東京電力エナジーパートナーを文字通りの「パートナー」に選んだのもそれがきっかけだった。2020年1月に竣工した「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」と、建設中の「虎ノ門ヒルズステーションタワー」、さらに周辺の駅や施設。それらすべてに電力と熱源を供給するための新会社を合同で設立。そのことによって効率的で強固なエネルギーネットワークを構築し、エリアの価値を向上させようという狙いだ。

Chapter 02

性能を下げずに、コストを下げる。

代田にとっては、絵に描いたようなチャンスだった。もともと代田は、「都市におけるエネルギーのあり方」に興味を持ち、東京電力への入社を決めた。今回のプロジェクトはまさにストライク。さらに、入社後に強い関心を抱くようになった「大規模災害への対策」というテーマも含まれている。「自分の集大成と呼べる仕事になるかもしれない」。そんな予感があった。

代田はまず技術担当として、「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」の地下に設置されるエネルギープラントのコンセプトづくりに着手した。「省エネ」と「災害への強さ」を2大テーマとして、関係するさまざまな人々の意見をまとめ上げ、あるべきプラントの姿を描いていく。ところが、このプロセスが修羅場続きだった。「だめだ。ぜんぜん予算に収まらない」。構想をもとにコストを弾き出しては、代田は頭を抱えた。寄せられる意見や期待のすべてに応えようとすると、機能も構造も「大盛り」になっていく。すると、比例してコストが上がる。問題は、そのコストが入居企業やテナントが支払う使用料金に上積みされてしまうこと。「エリアの価値を向上させる」という目標からすれば、完全に本末転倒だ。

「性能は妥協できない。あとは、いかに合理的にその性能を実現できるか、だ」。代田は過去の事例をくまなく調べた。ある性能を発揮させるためには、設計上、何を省いてもいいのか。どこを削ってはいけないのか。「可能な限りシンプルにつくる」という方針を立てつつ、境界を探った。やがてその努力が実り、性能と合理性を併せ持ったプラントが形になり始めた。ギリギリのこの攻防は、2年に亘って続いた。

Chapter 03

この事例が、新しい事例を生んでいく。

さらに代田は、意外な役目を任せられた。「プロジェクトマネージャー」。森ビルと合同で設立した会社の運営に関わったのだ。たとえば金融面。「調達先から資金を借り入れる期間をどれくらいに設定するか」などの判断を行う。さらには、中長期の事業計画策定、資金計画の作成、業務フローの作成、各種申請・報告の管理、営業開始に向けた諸準備……。そんな業務の経験は、当然ながらまるでない。学びながら走り続ける日々。大変だが、充実してもいた。「技術と事業。まったく方向性は違うけれど、ひとつのプロジェクトのすべてに伴走できる。こんな機会はめったにない」。

「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」の竣工を迎えた今、代田は大きな感慨を覚えている。だが、それに浸ってばかりもいられない。目標とした省エネ性能が、きちんと数値に現れるか。会社として、継続への責任を果たせるだけの成果が挙げられるか。今後に向けてチェックすべき項目は多いが、ひとつ確実なのは、このプロジェクトを通じて大切な知見が代田の中に宿ったことだ。「同種の相談ごとが持ち込まれた時、お客さまに即答できる状態ができた。新たな受注の兆しもある」。そう代田は胸を張る。代田の「集大成」は、次のプロジェクトを成功に導くための新たなエネルギーになっている。