PROJECT STORY #04

海外における
水力発電事業への参画。

OUTLINE

脱炭素社会を目指す国際世論を背景に、水力発電の導入を進める国も増えている。東京電力が持つ技術とノウハウを活かし、ビジネスを通じて持続可能な社会の実現を支援する。

※東京電力が初めて出資参画した海外の水力発電事業である、ベトナム国コクサン水力発電所。

PROFILE

東京電力リニューアブルパワー
海外事業開発室 プロジェクト開発グループ
高澤 和典
1997年入社
工学部 土木工学科
※部署名等は取材当時のものです
CHAPTER 01

海外水力発電事業への参画。

脱炭素化に向け、大きく舵を切った国際社会。再生可能エネルギーの電源化に取り組む国も増えている。こうした状況を背景に、東京電力が積極的に進出を図っているのが「海外での水力発電事業」だ。2018年にはベトナム国コクサン水力発電所、2020年にはジョージア国ダリアリ水力発電所への出資参画を発表した。

これらのプロジェクトは、東京電力の高い技術力とノウハウを国際的に活かせるという点で意義が大きい。もちろんビジネスとして見ても、現地の事業者とパートナーシップを結んで活動しながら、長期にわたって収益を得られる魅力がある。ただし、魅力的な市場にはライバルも多い。各国の電力会社がアプローチをかける中、どこよりも強い信頼関係をパートナーとの間に築かなければならない。そして高澤はまさに今、東南アジアを舞台としてその取り組みに挑んでいる。

CHAPTER 02

コロナ禍での異国間コミュニケーション。

パートナー候補であるその事業者とは、ある企業に紹介されて知り合った。3年半前のことだ。実績が豊富で、財務状況も良好。つまり、ぜひとも組みたい相手だった。先方も東京電力を高く買ってくれていて、幸先のいい滑り出しといえた。だが、水力発電所という巨大なプロジェクトだけに、パートナーシップを締結するまでに確認し合うべきことが山ほどある。その話し合いに取り掛かった矢先、降りかかったのがコロナ禍だった。

お互いの国を行き来することができなくなって、もっとも痛いのはコミュニケーションのロスだった。現地に行けば、「ミーティング」「その後の食事」「さらに翌日もミーティングや食事」と、一度の出張で複数回、空気の異なるコミュニケーションの機会がある。文化や商習慣の違いからくるギャップも埋めやすい。だが、オンラインではそうはいかない。高澤はできるだけミーティングの場を増やし、電話やメールもこまめに使うことで溝を埋め、信頼関係を地道に築いていった。実地調査などの避けて通れないプロセスは、現地の企業に委託することで乗り切った。もどかしい局面は多かったが、確実に前進しているという手応えがあった。

CHAPTER 03

日本ではできない経験を。

海外の水力発電事業に携わるうれしさを、高澤は大きく2つ挙げる。「まず、持続可能な社会の実現に貢献できること。もうひとつは、もはや日本では経験できない、新しい水力発電案件の開発と建設を経験できること」。小規模なものを除く、国内で新規の水力発電所の建設を立ち上げることは難しい。国内の事業環境はそれだけ成熟し切っているのだともいえる。だからこそ、このプロジェクトは貴重だ。「私はもういい年だけど(笑)、それでも新しい経験ができている。確実に、去年とは違う自分だと言える。それがうれしい。もちろん、まだ若いメンバーにとっても成長のためのまたとない機会だと思う」。高澤はそう思いながら、このプロジェクトを牽引している。