PROJECT
STORY
01

エネルギーに、
新しい風を。

文系 理系 東京電力ホールディングス

Project Outline

洋上風力発電プロジェクト

自然界に永続的に存在し、発電してもCO2を排出しない「再生可能エネルギー」。それらを主力電源とするための取り組みが東京電力でも進んでいる。できたばかりの部署で洋上風力発電の実現に挑む、池田と益田。それぞれの現在地。

Project Member

東京電力ホールディングス
風力事業推進室 開発グループ
池田真二(2008年入社)

東京電力ホールディングス
風力事業推進室 風車グループ
益田克己(2016年入社)

※部署名等は取材当時のものです

Chapter 01

1から風を起こす。

千葉県、銚子市。南の沖合3.1kmの洋上に、高さ126メートルの風車がポツンと立っている。NEDO(産業技術総合開発機構)と東京電力が共同で開発し、洋上風力発電の実証実験を行なってきた設備だ。2019年1月からは、洋上風力発電としては東京電力初の商用稼働も始まった。いまはまだ一基きり。けれど遠くない将来、銚子沖のこの風景は大きく変わるかもしれない。

風力を始めとする再生可能エネルギーを、電力供給の主役へ。この課題と向き合うために、政府はいま、「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域」の選定に入っている。シンプルに言い換えれば「日本のどこで大規模な洋上風力発電を始めるか」を決めようとしている。その候補地のひとつに銚子沖も挙げられている。いよいよ本決まりとなれば、今度は入札によって事業者が決まる。その時を見越して動いているのが、池田と益田の所属する「風力事業推進室」だ。2018年にできたばかりの新部署。2人とも水力発電の経験はあるが、風力は初体験。そもそも、東京電力に限らず日本全体を見渡しても、洋上風力発電のノウハウは少ない。手探りでのスタートだ。

Chapter 02

風車を見つめる。地域を見わたす。

風車グループの益田は、グループ名の通り「風車」を担当している。洋上風力発電に使用できる風車は、実は海外でしか製造されていない。日本で設置、運用するにあたってのネックは、国内法に合わせたカスタマイズだった。風力発電のさかんなヨーロッパでは、風車はすでに標準化された「既製品」だ。どこをどう変えれば日本国内で運用できるのか、あらゆる関連法規に当たって洗い出し、一点も漏らすことなくリストにして海外メーカーと仕様の調整をしなければならない。ここで見逃しがあると、追加の仕様変更が発生してコストに大きく跳ね返るだけではなく、日本での稼働ができなくなる。場合によっては、事業そのものが成立しなくなってしまう。細心の注意を払いながらの検討が続いている。

一方で、銚子沖に限らず、さまざまなエリアで洋上風力発電の可能性を探っているのが池田だ。ただし条件は厳しい。まず風が強くなければならない。数値でいえば、年間平均風速7メートルが事業性の目安となるといわれている。さらには、系統接続が適切に確保されることや、発電事業の実施により漁業に支障を及ぼさないこと等が必要となってくる。どうにか候補地が絞られると、地元行政や漁業関係者の意向などをふまえた、事業の実現性有無の確認が始まる。地元の理解なしには、事業を進めることは絶対にできない。

Chapter 03

全力を尽くしたい、いくつもの理由。

どこまでも慎重にプロジェクトを進めつつ、消すことのできない不確定要素もある。「果たして、入札で東京電力が選ばれるのか」。それでも、池田と益田のモチベーションは高い。大規模な洋上風力発電という、まったく新しい取り組みに先陣を切って挑めること。いまや全世界の目標である、低炭素社会の実現を自分たちの手で引き寄せられること。洋上風力発電を新たな収益の柱として確立できれば、福島への責任を果たすための原資にもなる。全力を尽くしたくなる理由が、このプロジェクトにはいくつもある。「再生可能エネルギーの主力電源化」は、東京電力にとっても絶対の目標。経営層から20代の若手まで、一体となって全力で推進していこうとしている。その距離の近さもきっと、プロジェクトにいい影響を及ぼすと思う」。そう話す2人の背中に、追い風は吹いている。