東京電力で描くキャリア
忍 義彦
東京電力ホールディングス
常務執行役
(インタビュー時 執行役員
稼ぐ力創造ユニット組織・労務人事室長)
村上 豊
東京電力ホールディングス
稼ぐ力創造ユニット
組織・労務人事室
人財・組織開発センター開発推進グループ
羽山 南
東京電力ホールディングス
稼ぐ力創造ユニット
組織・労務人事室人事・育成グループ
東京電力グループの歴史を振り返ると、水力発電中心の時代から火力発電へ、LNGの導入、そして原子力発電など大きな転換点がいくつかありました。近年の気候変動問題、国際情勢、エネルギー資源を巡る動向、電力自由化など、電気事業は何十年に一度といわれる大変革時代を迎えています。この変革を乗り越え、エネルギーの未来を切り拓いていく原動力は「人」であり、「人」こそが当社にとってかけがえのない財産です。
確かに今の電気事業はカーボンニュートラルの実現なども含め、過渡期にあるといえますね。新しい事業が求められる中で、私が人財育成で重視しているのは「自律」です。総括原価方式が廃止され、さらなる事業促進・最適化が求められる中で、社員一人ひとりが成し遂げたい目標を持ち、自ら考え、挑戦していくことが必要となるのではないでしょうか。
その通りです。「安心で快適なくらしのためエネルギーの未来を切り拓く」という東京電力グループの経営理念を果たすためにも、社員一人ひとりがお客さまを起点として物事を考え、お客さまの期待を超えることができるよう行動することが必要です。そのため、会社は社員の皆さんに「自ら働き方をデザインできる環境」「自分らしく働ける環境」「自ら挑戦・選択できる環境」「安心・安全に働ける環境」をご提供し、社員の皆さんの成長・チャレンジを支援することで、世界に通用するプロフェッショナル人財を育てていきたいと考えています。
羽山さんから「自律」というキーワードが出ましたが、まさにそれが人財・組織開発センターが目指しているものです。社員一人ひとりが「自律心」「情熱」「多様性」といったマインドを持ち、「TEPCO Values」を体現することを常々意識して、人財育成の施策を提供したいと考えています。
村上さんは、実際に若手社員の研修などを担当していますよね。
はい。一人ひとりの自己実現や幸福度向上のために、若手のうちから自律的に考え、行動できるよう、「当事者意識」と「主体性」を育むとともに、キャリア形成や自己成長につながる「職場と連携した研修」や「自己啓発支援策」を展開しています。先ほどの東京電力グループの経営理念である「安心で快適なくらしのためエネルギーの未来を切り拓く」ことは、すべての社員にとってのミッションです。そのミッションを達成するために重要なことは、お客さまのご期待を超える価値を提供できる「事業創造人財」の育成と、安定供給を支える現業技術を持った「電力プロフェッショナル人財」の育成をしていくことです。カーボンニュートラルにシフトする大きな潮流の中で、稼ぐ力と技術力、その両方が求められますから。また、個人・組織がともに学び、互いに教え合う風土を構築し、お客さまのご期待を超える価値を提供できるスキル・マインドを育てる研修を実施しています。
私は事務系社員の育成施策の運用設計を行っていますが、一人ひとりが異なる能力を持ち、その力を最大限発揮できる場所を見つけるためにも、多様な経験ができるような環境を整えるよう努めています。さまざまなバックグラウンドの人と出会い、多様な経験を積む中で、入社した方が「キャリア構築って楽しい!」と感じるような運用設計を心がけています。
「守り」だけではなく、「攻め」の東京電力を一緒につくり上げる意欲のある方を期待します。電力事業は当社の根幹であり、電気を使うすべての人の「当たり前」を支えています。ですが、社会環境の変化に伴い、お客さまの価値観やニーズは多様化し、「当たり前」の形も人それぞれになっています。既存の考え方にとらわれず、多様な価値観にもとづいた新たな価値を創造したいという思いの強い方と一緒に働きたいです。
エネルギー業界は、資源価格の高騰や気候変動による災害の激甚化など、事業を取り巻く環境が大きく変化しています。こうした状況においては、社員一人ひとりがお客さまを起点として物事を考え、お客さまのご期待を超えることができるよう行動する、これこそが、当社グループの成長、そして自分の成長につながると確信しています。自らの可能性を信じ、何事にも失敗を恐れずにチャレンジしてほしいと思っております。
本当にそうですね。採用面接では、学生さんの皆さんといろいろなやり取りをしますが、入社してやりたいことを聞くと、我々社員では思いつかないようなアイデアがたくさん出てきます。私も面接だということを忘れて、話にのめり込んでしまうことがよくあります。当社は2050年にエネルギー供給由来のCO₂排出実質ゼロというカーボンニュートラル社会の実現を目指していますが、2050年というと主役はまさにこれから入社される皆さんです。一緒にエネルギーの未来を切り拓き、カーボンニュートラル社会の実現を目指しましょう!
職場や組織を率いていくための「次世代経営人財育成」「リーダーシップ向上のための研修」、年代や職級に応じた「階層別研修」、カイゼンによる生産性向上と東京電力グループの成長をリードする「カイゼン教育・稼ぐ力を高める研修」などを実施し、個人の能力を高めるとともにその力を職場実践の中で発揮できるように職場へのサポートも実施しています。また、技術系社員には「技術・技能の維持・継承に関する研修」として、個別の専門知識・技能の付与を目的とした種々の集合研修や訓練を実施しています。